不確実さに向き合おう。個人も組織も。

「変化が激しい時代」「変化に適応しよう」と会社でもよく言われています。自分もメンバーに訳知り顔に語ったりしています。でも、実際に何をしたらいいのか、個人・チーム・組織レベルで何をポイントにすればいいのか、を語ろうとすると、精神論になってしまったり、抽象的な話になってしまいます。

 

エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング

エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング

 

 

この本は、「エンジニアリングというものはあいまいなもの、つまり不確実性を具体化していくことで、何かを実現することである」という解釈の下で、不確実性に向き合うための方法を紹介しています。面白いのは、いきなり組織論に入らずに、まず「思考のリファクタリング」ということで、個人の思考での無駄なプロセスの削減について語り、続いて、1対1のメンタリング、チーム、組織と、範囲を広げて解説していっているということ。やっぱり個人の活動が肝になるということと理解。いろんな順番で読む人もいると思うけど、私は「思考のリファクタリング」から読むことをお勧めしたい。

 

ここで言っているのは、不確実性とは「未来」「他人」によるもの。情報を生み出し、不確実性を下げていくには、次の3つの考え方が大事であるといっています。

  • 論理的思考の盲点
  • 経験主義・仮説思考
  • システム思考

特に、論理的思考の盲点は、我々は非論理的になることもあるということを自覚しようということを言っていて、本当にその通り、なのですが、一方で仕事で感情の話とか持ち込んでもいいんだ。知らなかったよと感慨深い気持ちになりました。どんな人でも認知のゆがみやそのほか論理的ではない思考をしてしまうときがある、むしろ非論理的なモードのほうが多いかもということを知ったうえで、判断したり、人と話したりをしたほうがいいなと思いました。非論理的になる自分を駄目だなと責めずに、織り込んで考えればいい。

 

その他、メンタリングの章では、他の人の思考のリファクタリングをするための方法についても紹介されています。私はどちらかというと、1対多より、1対1のコミュニケーションのほうが得意というか緊張しないので、参考にしてみたいと思います。自分の中で、これまでちがいがよくわからなかった2つの言葉が整理できたのがよかった。「共感」これならできそうな気がする。

  • 共感=相手がそのような気持になった理由を理解すること
  • 同感=相手と同じ気持ちになること

 

自分にとっては、エンジニアリングというもの、不確実性というもの、を頭の中で整理することができる本でした。チーム、組織論の話も興味深いポイントが書いてあるので、別で深堀してみたい。

まずは、自分の思考のリファクタリングからだなと思いました。自分が変わってみせたほうが、なんだかんだで周りを巻き込みやすいし。

この本を40分で読んで、ブログに40分くらいでまとめているけど、やればできるということがわかった。でも、もうちょっと内容に深みが欲しい。言語化は難しい。