KPTは繰り返すこととテーマ設定が大事
今の現場で、「ふりかえり」や「KPT」が推奨されている。ほぼ強制的にチームや個人ごとにふりかえりを行うことになっている。自分はふりかえり賛成派というわけでもないけど、まあやったほうがよいよね、という消極派である。けれども、これまでのふりかえりをしたときに、例えば以下のような点で、うまくできないなと感じていた。
- チームの雰囲気が悪い、疲れている状況でおこなうと人を責めるようなProblemが出てきて険悪になる
- 組織のルールでふりかえりをやると決められているから、やらされ感でとりあえず実施し、上司に報告しやすいTryを作り出すことに終始する
- 個人でふりかえりすると、全然Keepがでてこない
- 個人でも、チームでも、カイゼンのサイクルが継続して回せない
ちょうど、今、ふりかえりの準備をしている中で、「Problemしかでてこないけど、そもそも、このやり方で会ってるんだっけ?」とおもい、手に取ったのがこの本である。
何人かの人からおすすめされていたので、興味を持っていたけど、必要に迫られなかったので、これまで読めていなかった。
KPTの考え方やふりかえりMTGの運営の仕方が体系立てて整理されていて、頭の整理になった。
中でも、「KPTは繰り返して行うことでその効果がより大きくなる」ということ、「ふりかえり会はテーマに向かって振り返ることが前提」ということが自分には印象に残った。これまでの自分のふりかえりではできていなかったことだった。
まず、「KPTは繰り返して行うことでその効果がより大きくなる」ということについては、「KPTのサイクル」として図にまとまっている。これが自分にしっくり来た。Tryの導き出し方が特にこういう経路なのか、と腹落ちした。
- よかったこと・今後も続けることをKeepへ
- 困ったこと、問題点をProblemへ
- Problemに聞きそうな改善策をTryへ
- Keepを強化する改善策をTryへ
- 試してみたいことをTryへ
- Tryの中から試すことを選択
- 試してみてうまくいったこと、続けたいことをKeepへ
主なカイゼンのサイクルはこのようなもの。Keepで終わるのがポイント。Problemからはじまるものはなじみがあるけど、Try、Keepから始まるものは考えたことがあまりない気がする。あっても、Problemより優先度が下がる感じ
- Problem⇒Try⇒Keep
- Try⇒Keep
- Keep⇒Try⇒Keep
テーマ設定に関しては、
- チームの現状とマッチしている
- 継続性のある
- 簡単には到達できない
という例をあげている。例として、「業務をよりシンプルにより素早く行うには~
」というテーマがあげられている。最初に挙げた自分の失敗談で、険悪な雰囲気になるとか、やらされ感でおこなうとかは、テーマ設定が、「残業時間を今より減らすには」とか「お客さんのクレームを減らすには」とかメンバーが何とかしたいと思っているテーマ設定だったらうまく意見が出たかもしれないと思った。
その他、KPTを通してチームを育てるということやKPTを生かすテクニックなど、ためになることが色々書かれている。目標管理面談で使えそうな「KPT話法」は自分も使ってみよう。
ふりかえりについては、今は現場のルールとしてやることになっているのだけど、せっかくなので何か実りある時間にしたい。まずは個人でふりかえりするときに、テーマ設定して、ライトな内容でもいいから、繰り返してサイクルを回すようにしてみようと思った。ルールも意図を理解して、自分の意志で運用すれば、やらされ感は薄まるはず。