KPTは繰り返すこととテーマ設定が大事

今の現場で、「ふりかえり」や「KPT」が推奨されている。ほぼ強制的にチームや個人ごとにふりかえりを行うことになっている。自分はふりかえり賛成派というわけでもないけど、まあやったほうがよいよね、という消極派である。けれども、これまでのふりかえりをしたときに、例えば以下のような点で、うまくできないなと感じていた。

  • チームの雰囲気が悪い、疲れている状況でおこなうと人を責めるようなProblemが出てきて険悪になる
  • 組織のルールでふりかえりをやると決められているから、やらされ感でとりあえず実施し、上司に報告しやすいTryを作り出すことに終始する
  • 個人でふりかえりすると、全然Keepがでてこない
  • 個人でも、チームでも、カイゼンのサイクルが継続して回せない

ちょうど、今、ふりかえりの準備をしている中で、「Problemしかでてこないけど、そもそも、このやり方で会ってるんだっけ?」とおもい、手に取ったのがこの本である。

何人かの人からおすすめされていたので、興味を持っていたけど、必要に迫られなかったので、これまで読めていなかった。

これだけ!  KPT

これだけ! KPT

 

 

KPTの考え方やふりかえりMTGの運営の仕方が体系立てて整理されていて、頭の整理になった。

中でも、「KPTは繰り返して行うことでその効果がより大きくなる」ということ、「ふりかえり会はテーマに向かって振り返ることが前提」ということが自分には印象に残った。これまでの自分のふりかえりではできていなかったことだった。

まず、「KPTは繰り返して行うことでその効果がより大きくなる」ということについては、「KPTのサイクル」として図にまとまっている。これが自分にしっくり来た。Tryの導き出し方が特にこういう経路なのか、と腹落ちした。

  1. よかったこと・今後も続けることをKeepへ
  2. 困ったこと、問題点をProblemへ
  3. Problemに聞きそうな改善策をTryへ
  4. Keepを強化する改善策をTryへ
  5. 試してみたいことをTryへ
  6. Tryの中から試すことを選択
  7. 試してみてうまくいったこと、続けたいことをKeepへ

主なカイゼンのサイクルはこのようなもの。Keepで終わるのがポイント。Problemからはじまるものはなじみがあるけど、Try、Keepから始まるものは考えたことがあまりない気がする。あっても、Problemより優先度が下がる感じ

 

  • Problem⇒Try⇒Keep
  • Try⇒Keep
  • Keep⇒Try⇒Keep

テーマ設定に関しては、

  • チームの現状とマッチしている
  • 継続性のある
  • 簡単には到達できない

という例をあげている。例として、「業務をよりシンプルにより素早く行うには~

」というテーマがあげられている。最初に挙げた自分の失敗談で、険悪な雰囲気になるとか、やらされ感でおこなうとかは、テーマ設定が、「残業時間を今より減らすには」とか「お客さんのクレームを減らすには」とかメンバーが何とかしたいと思っているテーマ設定だったらうまく意見が出たかもしれないと思った。

 

その他、KPTを通してチームを育てるということやKPTを生かすテクニックなど、ためになることが色々書かれている。目標管理面談で使えそうな「KPT話法」は自分も使ってみよう。

 

ふりかえりについては、今は現場のルールとしてやることになっているのだけど、せっかくなので何か実りある時間にしたい。まずは個人でふりかえりするときに、テーマ設定して、ライトな内容でもいいから、繰り返してサイクルを回すようにしてみようと思った。ルールも意図を理解して、自分の意志で運用すれば、やらされ感は薄まるはず。